こんにちは。TOMYです。
今日は「経年変化と経年劣化」について。
革や木、天然の素材でよく耳にするワード。(金属も)
同じようで全く違う印象の2つ。
では、分岐点はどこなのか?
結論から言うと、同じ現象をポジティブに捉えたモノと、比較的ネガティブに捉えたモノでしょうか。
「人の受けとり方ひとつ」
それでも良いと思いますが、もうひとつ踏み込んだところで言うと
モノづくりをする人たち(職人に限らず)はモノの
「過去・現在・未来」を見ています。これは大袈裟でもなく、僕だけの話でもない、おそらく「普通」です。
「過去」はルーツ。素材や地域、環境、人、作られ方、作り方、
「現在」は完成し、販売される商品。お客様が出会うのはここですね。
「未来」はお客様の元でどうなっていくか。
ばくっと、これが過去、現在、未来の3つだとしましょう。
それでは経年変化と経年劣化の違いは、3つのポ
イントのどこにフォーカスを当てるか?で違いが生まれる。
という話になってくるかと思います。
おそらく、「経年劣化」となるモノは、作り手、買い手共に「現在」にフォーカスを当てた時に生まれます。
買った時がベスト。
これがよくあるパターンです。
つまり、使用と共に「減点方式」で「劣化」してしまうのでしょう。
素材の特性を考慮して「育ちしろ」的な要素を残していないのです。
「買った時がベストコンディション」
反対は
「長い使用の為に買った時より馴染みや変化が出てベストコンディション」
どちらも良さが違うので正解は無いのですが、後者が「経年変化」として愛され、「劣化」とされないのは
買い手、ユーザーが「自分でケアをして育てた」「変化した時間」という想い、思い出があるから。
製品を自分で完成させたという「ストーリー」から生まれるのでしょう。
もちろん、作り手も、その「ストーリー」を想像した上で過去、現在、未来の3つを踏まえたモノづくりをします。
そこから生まれる、この「過程と結果」は本当に大きいと思います。今の時代は特にです。
靴や鞄を磨ける人
植物を育てられる人
家具にオイルを入れられる人
包丁が研げる人
こういった人達は、モノを大切にして、モノを完成させ、モノを楽しめるという
買い物を越える「スキル」を持っています。
そして、そんな人たちは「過程と結果」を楽しめるモノを選ぶでしょう。
作る人、使う人の価値観や縁から生まれる
経年変化。良いですね。好きです。
以上、「経年変化と経年劣化」おしまいです。
次はこの流れで「エイジング(経年変化)」
について書きます。