おはようございます
TOMYです
今日は全く関係の無い珍事件を。
数日前の平日
僕はいつも通りアトリエで、製作をしていました
時間は、お昼過ぎから夕方の間くらいでしょうか
アトリエの扉はヨーロッパのビンテージで、木枠の間のガラスからかすかに
通行人や自然光がぼんやりと見える感じ
そこを腰の高さくらいの背丈に黄色い帽子の人影が通過しました。
とっさに
時間帯、身長、黄色い帽子から
『低学年の小学生だろうな』
と一瞬
思った
その時
外から
「ビビビビビビビ!!!」
と大きく強い音で防犯ブザーが鳴り出しました
止まる事なく、想像以上に響き渡るブザー音を耳にした僕は
「まってろ!!!
今おじさんが助けてやるからな!!!」
と丸腰で外へ飛び出す事を決意しました
アトリエには木製バットもあるけれど
181㎝体重非公表の自慢の身体と
3歳の娘の父
という自尊心と勇気が僕の背中を押し
威勢よくアトリエの扉をスライドさせ
飛び出したその先には
今にも泣き出しそうな少女が立ち止まっていました
「ま、まだランドセルを“背負わされてる”このサイズ感、、
完全にぴかぴかの一年生じゃないか、、」
「犯人はいったいどいつだ!?」
「どこの変態野郎だ!?」
とアトリエから飛び出したヒーロー(181cm体重非公表)は
すぐさま周りに不審者がいない事を確認したあと
少女の元へ
すぐに地面に膝をつき少女と同じ目線になり、肩に触れながら
「大丈夫?どうしたの?」
と声をかけた
安心して欲しかったのだ。
この間もブザーは鳴り響いている。
近づくと耳が割れそうな
それは大きな音だった
少女は、小さな声で呟いた
ブザーの爆音の中
その言葉をなんとか聞き取った
少女「防犯ブザーが鳴っちゃって止まらないの、、」
僕「そっか!すごい音だからまず耳を塞いで!」
そう伝えてブザーを止めようとした
カチャ
カチャカチャ
ん?どこ?
全然とまらない
カチャカチャ
え、なんだこれ、そもそも防犯ブザーなんて触った事も無いな
なにせランドセルに鈴をつけてるような時代
熊に会ったら笛をふけとか教わっていた田舎者
いや今はそれはいいんだ
止めないと
カチャカチャ
やばいまじで止まらない
そんな事をしている間に重大な事に気がついた
この状態
完全に
僕が防犯ブザーを鳴らされてる絵になってる。
爆音防犯ブザー小1女子×180センチオーバー髭だらけロングコートおじさん
嫌な汗が流れ出した頃
次々と近所の家から人が飛び出してきた
完全にやばいやつだと思われた
その時
颯爽とヒーローが現れた
少6の女子だ。(推定)
少6の女子はササッとかけより
サッと防犯ブザーをいじり
ピタっと爆音を止めた。
恥ずかしさと早く家に帰りたい一心だろう
お礼も言えずに小一の少女は走り去っていった
少6の女子は追いかけもせず余裕だった
あ、とりあえず
本当に、よかった
安堵
安堵
安堵。
ヒーローは僕では無かった
真のヒーローは少6女子だった
小1から小5までの5学年の上に君臨するだけの小6だった
本当に助けられたのは
小1の少女では無かった
本当に助けられたのは
34の僕だった。
小6の少女がはにかみながら
歩いて帰っていった
僕は
恥じらいと焦りから
やや火照ったピンク色の顔面を
あぶら汗で輝かせながら
バキバキに引きつった笑顔で周囲の人たちに
小さくおじぎをしながら
そっとアトリエに戻った。
戻りながら小声で
「ブザーが鳴っちゃったんだね」
とも言いながら。
深呼吸した後
飲み干した700mlの水が
最高にうまかった。
ありがとう小6女子。
おかげでおじさんは今日も
モノづくりが出来ているよ。
ちゃんといつものアトリエで。
おしまい。