こんばんは
TOMYです。
全然関係ないのですが
アトリエから千駄ヶ谷への電車移動で心に残った出来事を。
電車で隣に座った角刈りのおじさんが大事そうに抱えているトートバッグ（付録系）からなにかがはみ出している
あれ？みたいな気配があった
角刈りのおじさんは
はみ出したなにかに
優しく話しかけている。
横目でのぞくと
鼻先と目まで見えた
愛らしい白い犬の顔だった。
もう一度覗くと
それは白い犬のぬいぐるみであることに気づいた。
健気な表情のぬいぐるみと
愛でる角刈りのおじさん
それを限りなく、さりげない横目で感じとる私
優しさと危うさに揺られながら時間が過ぎる。
白い犬のぬいぐるみは、たしかにかわいい。
そんな事を思いながら
ちらちらと眺めていたら
角刈りのおじさんが犬のぬいぐるみを取り出してポジションを入れ替えた
ん？あれ？
一瞬の出来事の中になにか違和感を覚えた。
なにかが違った。
なにかが。
こうなると気になってしかたがない。
ただ、乗り換え駅はもう次だ
もう一度みたいけど、そんなチャンスはもうない
次の停車駅の車内アナウンスも始まった
そんなアディショナルタイムで
角刈りのおじさんはトートバッグ（付録系）の中の白い犬のポジションを大きくサイドチェンジし始めた。
「願いは伝わった」
私は
白い犬と角刈りおじさんの一挙手一投足を
目に焼き付けた
私の集中力は最大
ひとコマひとコマがスローモーションで見える
さっきはわからなかった違和感
今の私なら見逃さない
今の私はあざむけない
鼻先、顔
見える
見える
徐々に露わになる白い犬のぬいぐるみ
耳、首、前脚
見える
見える
胴、胴、
見える
見える
胴、胴
ん
また胴だ
胴、胴
おいちょっと待てよ。
こいつは白い犬なんかじゃない。
胴、胴、胴の
オコジョだ！！！
自然薯を土から掘り起こすように
トートバッグ（付録系）から掘り起こされたオコジョ。
白く長い姿を見て私はこう思った。
「白くて、長くて、かわいいな」って。
オコジョって。
ではまた。
