TOMYのBLOG

TOMYMADE

諦めたこと

こんばんはTOMYです。

今日は僕がレザーでのモノづくりをする上で諦めた事について。

 

決してネガティブな内容では無いので、是非、目を通して下さいませ。

 

 

諦めた事。それは

 

 

「傷がつかないレザーが欲しい」

 

という要望に応える事です。

 

そういった声や要望がある事自体は、否定もしませんし、人それぞれの希望、好みがあって良いのです。

 

 

ただ、それに答える商品はハイブランドファストファッションの「加工」の中に溢れているのと、

 

それを可能にする素材や、加工を選択すると、素材のもつ特性を失う事があまりに多いと僕は感じるからです。

でも、傷が嫌な人は、それらを選べば解決です。

 

本当は、革以外で考えるのが自然かもしれませんが

 

 

 

ずっと新品のまま使いたい。でも「本革」という表記は欲しい。そのワガママに応える為につくられる商品

 

その結果、リアルレザーの上にわざわざ科学的なコーティングをたくさんしていって、

 

革の表面を完全に覆い隠す。

 

 

なぜなら、傷がつかない革なんてないからです。

 

 

歳をとらない人はいないし

変化しない木はないし

 

同じように、生き物だった副産物だからこそ

 

レザーとなった今も、限りなく、素材らしさを残せば、傷はつくし、変化し続けるものです。

 

それがレザーの自然な魅力だと僕は思います。

 

 

綺麗な状態に、緊張感を覚えて、使っていくと、ひとつ目の擦り傷に落ち込みながら

 

 

それが馴染み、表情を変えていく途中に、新品の時よりも好きになる。

 

傷でもなく、汚れでもない

 

 

たまらない存在になる時が来る

 

 

レザーとはそういうものだと思います。

 

 

 

先日お会いした、バイヤーさんとのお話でも

 

 

ハイブランドの超人気ビンテージバッグは

 

現行ではあまりつくらなくなったような、

 

表情としては傷つきやすく、変化しやすい

 

 

素材らしさ残るモデルだと聞きました。

 

 

頷けます。

 

傷がつかないレザーが欲しいという風潮は、

 

お客様目線のようで

 

 

いつからか生産者やブランドの都合に買い手が巻き込まれた側面も感じるものです。

 

 

 

「傷がつかないレザー」

 

 

以上、僕が諦めた事でした。

 

 

ちなみに、今日はたまたまお昼の通販番組が目に入り

 

まさに「傷がつかない激安レザー財布」を販売していました。笑

 

この記事を書くきっかけになりました。

 

 

それではまた。